眠らない日々
(2004.11.30)
上野のヨドバシでドラクエ8を買ってきた。 これでしばらくはサイトの更新はおろか、仕事にも支障が出るであろう。 一時間ほどプレイした感想。 絵がきれいで、戦闘シーンではモンスターがちゃんとアニメーションするのが楽しい。鳥山の絵でドラクエがプレイできる日が来たとは・・・。 ただ、会話中にドッキリマークとかハテナマークが出るのは意味なしだと思う。アニメ絵で表情がはっきり分かるので、そこから読み取れば十分。むしろ表情の出なかったドット絵時代にこそ、こういった記号的表現が必要であった。また3Dアニメ絵は、味わいこそ従来のいかにもポリゴンといった3D表現よりは幾分優れているものの、やはり僕らの世代には2Dのドット絵がなじむ。このクオリティのまま2D表示にして、デカキャラをグリグリ動かして欲しい。(全て死語)
ぜんぜん話は変わる。 ニュースでやっていたが、小田原急行のロマンスカーに新車がデビューするらしい(写真)。前回の30000形EXEでデザイン上の大失敗をおかし、総スカンを喰らった小田急電鉄だが、リベンジとなる今回も明らかに大失敗。デザインの賛否はともかく、白に赤線っていうのはなー。ドイツ新幹線のICEや、九州新幹線つばめを意識したのだろうが、どうみても小学生の上履きだ。 やはりロマンスカーは初代のデザインのオレンジ&シルバーに戻すべきだ。あのカラーリングこそ昭和チックなロマンを物語っていた。
ロマンポルノ、ロマンスカー、そして3D化したドラクエ。 僕らが生まれた昭和は急速に色褪せてゆく。
久々に夢診断
(2004.11.29)
※気持ち悪い話なので、苦手な人は読まないほうが懸命です。
またアウシュビッツの夢を見た。半年ぶり。疲れていると見るらしい。今回のも結構生々しい。ベルトコンベアで流れてくる死体、流れ作業でそれを焼く焼却炉(屋外)。死体が焼却炉に入るとコンベアが止まり、白い骨になるまで焼かれる。しかしコンベアが次々と死体を運んでくる上、焼却炉の長さが短い(全長4〜5m位)ので、時には生焼けのまま出てくる死体もあった。とてもおそろしい。本や映画で見るどんな現実の資料よりも、夢はアウシュビッツの恐怖を伝えている。 前回の夢と同様アングルはロングショットで、パンするような感じで撮られていた。ただ前回と違うのはカラーフィルムだったことだ。一箇所オマージュらしき所があって、ボロボロの白骨になった死体を必死であさる人たちが出てきたのは『セブンスアニバーサリー』(行定勲)の引用でしょうかね。 夢まで映画の影響。 そもそも夢のことに、アングルとか「撮られていた」とかいう解説をするのはおかしい。
グリーン定食
(2004.11.28)
急に身近な話題で恐縮だが、最近JR東日本の普通車にはグリーン車が連結されるケースが多くなってきた。 この間、仕事帰りに新宿から横浜に行こうと湘南新宿ラインに乗ったときのことである。この湘南新宿ラインにもグリーン車が連結されたらしく、「1番線に到着の電車には、グリーン車がついております。」とホームに放送が流れる。 で、本題はなにかというと、この「グリーン車がついております。」という表現がすごく気になった。 「連結されております。」というのが普通だろう。 「ついております。」だと、なんだか定食屋かファミレスみたいだ。
・「ランチメニューにはご飯とみそ汁がついております。」 ・「チャーハンにはスープがついております。」 ・「ハッピーセットにはお好きなおもちゃがついております。」 ・「この電車にはグリーン車がついております。」
こう並べてみても、違和感はない。
逃げたい背中
(2004.11.27)
少し前のコラムで「旅に出たい」と書いたら、 いろいろな人から「僕も(私も)旅に出たい」というようなお便りがきた。旅=現実逃避、とはよく言うけれど、僕らが逃げたい現実って一体なんだろう? きっとそれは、変化するってことじゃないだろうか。 これはきっといつの時代・どこの国でもそうなのだろうけど、たとえ自分は「今のままでいい」と思っていたとしても、たえず変化する周りの状況に、自分も気づかぬうちに変化を強いられている。 そして僕らは案外そんな「変化」を少し恐れて生きているのかとも思う。
旅に出ると、そんな「変化」はなくなる。すぐに次の場所に移動してしまうから「変化する」ことを見なくて済む、とも言える。 旅の中で僕らが見る景色は、いつも生まれたばかりで新しく、自分が来る前の過去もなければ、自分が去ったあとの未来もそこには存在しないのである。例えば通りがかった町で、働く人を見る。僕らの目に映るのはその一瞬だけだ。その人の過去も未来も(その日の夜の出来事ですら)旅人は見なくて済むのである。そういう意味で放浪の旅っていうのは、ストップモーションの中を歩く時間旅行なんじゃないかなぁ、って思う。そしてそんな『時間のない世界』=『変化のない世界』に浸りたいから、僕らは旅にでるのかもしれない。
※おことわり この文書は海外バックパッカー等の孤独な一人旅を想定したもので、各種パッケージツアーおよびウルルン滞在記には該当いたしませんのでご注意ください。
コラ/モン タージュ
(2004.11.26)
ビデオで『グッバイ・レーニン』を見た。 期待はずれ。 「8ヶ月間意識不明だったため、ドイツ統一の事実を知らない熱心な社会主義者の母。衰弱している彼女にショックを与えないために、ニセのTVニュースまで作成して、東ドイツがまだ存続しているように振舞う息子たち」 というストーリーのコンセプトは面白いのだけど、いまいちその話の面白さが生かしきれていないのは、脚本が良くないのだろうか。
また、あらためてドイツ映画の『イモっぽさ』を感じる。 マシなのは音楽くらいで、全般的に演出がダサい。とくに意味不明の早回し(ドイツで流行中?)と面白くない小ネタ。言ってみれば、田舎っぽいなぁって。
社会主義コラージュっぽいオープニングは良かった。僕も写真を切り抜いてコラージュを作りたくなった。
焼肉制度化
(2004.11.22)
すごいという以上に適切な言葉が見つからない しかも温泉マークの関連性がナゾ。
旅に出る
(2004.11.21)
たぶん近いうちに旅にでると思います。 といっても、仕事を辞めて実際に旅に出るわけではなくて、あくまでも抽象的に、つまり精神的に旅立つ必要を感じたわけです。 東京で生活を続けながら、気持ちは旅立っていきたい。 ま、土日にプラプラさまよいたいですな。 いわばカジュアル失踪。
探さないでください?
なんか、色々なことが嫌になった。
客引きの町
(2004.11.07)
土曜日は310000の遠足で、Sheep氏と二人で埼玉県川口市のはずれのある施設まで行った。そこへは川口駅、西川口駅のどちらからもバスが出ているのだが、僕らの共通の研究テーマでもある『風俗の町〜石ケンのかほりロマン〜』の為にも、一度西川口界隈を見ておきたいと思って、西川口で乗り換えることになった。 JR線の駅を降りて少し歩いただけで、客引きの男達が道端に立っている界隈に突入した。たいして広くない界隈で、プチ吉原といった面持ちだが、高級感があり一種の神聖さすら感じる吉原に比べればはるかにレベルは下がる。特に客引きがチンピラ&ノンカタギな人が多く、吉原の紳士風とは対照的である。 さて、バスに乗ろうと駅裏のバス停で待っていたら、すぐ後ろが中華屋だった。もちろん僕ら好みのC級中華である。 その店のウインドウには、パソコンで手作りしたと思わしき『おすすめPickUp!!』なるチラシ(ピンボケ写真つき)が10枚以上も貼られていたのだが、そのキャッチコピーのテンションおよび80年代的な文才溢れる様子に、僕らは涙なしでは読めなかった。いくつか気に入ったものを以下に紹介する。
『五目うま煮』 これは何?「プチ本格中華」!? 具材タップリ、ちょっと贅沢な一品!! お酒ともご飯とも相性ヨシ、の優等生!! 一度は食べてみてくださいナ★ 『肉ピーマン丼』 肉ピーマン?もしかして……? そう思った貴方はスルドイ!! 乗ってる具材はほとんどチンジャオロース!! 量の差はあれ、ご飯付きでコレはお得!! 『レバーとニンニクの野菜炒め定食』 ますたぁオススメの一品!! レバー&野菜のヘルシーな具材と、 ニンニクの風味が食欲を刺激!! おつまみにも、イ・イ・か・も!?
さて、店主のものすごいテンションを実感していただけただろうか。この町では風俗はおろか、中華屋までもがキャッチコピーを考え、客引きをするようだ。帰りに川口駅方面から帰った際にもいろいろな店を見て思ったが、どうやら川口市はC級グルメのメッカらしい。C級グルメ間の競争が熾烈なあまり、積極的に客引きをやらねば生き残っていけないのがこの町なのかもしれない。川口サバイバル中華物語。あと、なぜか異様にゲーセンの数が多い。SNK現役稼働中。レイジングストームを出したくなったら、川口へ走れ!
アメリカン=ゾエトロープ
(2004.11.06)
「ハト、30分くらい飲んで帰ろうや」 昨日は金曜だったので、帰りがけに先輩に二人呑みに誘われた。きっかり30分で帰れるように『ゆっくりできない店』という条件、食券タイプの居酒屋があるというので、そこに行くことになった。店に入るや否や、偶然にしては出来過ぎたタイミングで隣の部署の方々が部長以下4人来る。その部長はかつて僕を面接した人で、こうやってちゃんとと会話するのはその時以来だった。話せば実は僕の住む町に縁のある人で、奥さんの実家はウチの近所、しかも小学校は僕の先輩という訳。結局30分呑みの予定が、2時間、3時間と延びていった。 そして帰りがけに電車の中で小学校時代の同級生に会うという偶然、いや必然。家の前で1時間くらい懐かしい話をした。 そして今、土曜の朝。僕だけの家の中でコーヒーを淹れる。何も考えずにいたら、写真の通り二人分淹れてしまった。これは誰に注いであげたコーヒーなのだろうか。無意識がそうさせたのか。さて、僕は誰の為にコーヒーを淹れたいのだろう。 そんなことを考えていると、ちょうど初冬の冷えた陽射しが窓辺に流れ込んで来た。
エマージェンシーとその対応策
(2004.11.05)
一人暮らしを始めたとしたら、不便なこと、困ることが多く発生すると思う。僕は今は実家で暮らしているが、今日一人暮らしの恐怖を疑似体験する出来事に遭遇した。
つまり僕はトイレに座していたのだが、コトを済ました後になって、はじめて紙の残量が足りないことに気づいた。スペアの、リフィルの、つまり予備の紙ははるかドアの向こう。緊急事態だ。幸い家族が近くの部屋にいたので、声高らかに助けを呼ぶことができた。ドアの隙間からおごそかに投入される救援物資(2枚重ね30m)。 これがもし一人だったなら・・・と考えると恐ろしくなってしまった。よく、親元に住んでいる人は危機感が足りない、などと世間では言うものだが、つまりこういうことだと思う。
あこがれ通勤
(2004.11.04)
横浜から東海道線に乗って車窓を眺めていた。 −ふと思う 「最高の通勤電車ってどんなんだろう?」 −ガラス越しに、グリーン車の連結された横須賀線とすれ違う
湘南方面や、逗子・鎌倉方面に住む裕福な人々にとっても、グリーン車通勤はステータスかもしれない。グリーン定期券を持っているならなおさらだ。また、小田急や中央線沿線に住む普通の人々にとって、ロマンスカーや特急あずさでラクラク通勤するのは夢かもしれない。 −品川が近づき、新幹線が横を追い抜いていく 交通費支給を惜しまないような優良企業に勤める人の中には、熱海や那須に広い家を買い新幹線で通勤する人も少なくない。確かにそれも素敵だ。
でも、本当に僕が望む通勤列車は、ブルートレインだ。あこがれの寝台車通勤。もちろん会社の最寄駅に着く寸前まで、パジャマで寝てられる。着替えて降りて出社。始業時間の5分前まで寝られる夢の通勤方法。これが一番だ、きっと。 −車窓には品川の車両基地に停まるブルートレインが見える
ちなみに僕の住む常磐線沿線では、上野駅でワンカップを買って車内で見知らぬ人と宴会しながら帰宅するのが常識となっている。それはそれでロマンだ。
(写真は本文の内容とは関係ありません)
銀座の地下で感じる世代間の不調和及びピルスナーの苦味
(2004.11.03)
前から、大学時代のある集まりの同期会みたいなものを計画していて、幹事のT氏はメンバーに電話やメールで声をかけていたらしいのだが、蓋を開けてみると僕ら2人を入れて全部で3人しか出席者はいなかった。この集まりのメンバーはいつも非常に付き合いが悪い。「仕事で忙しくて無理」などと返信メールが来るならいいほうで、時に留守電を入れても平気で無視されるといったようなクールで都会的な男女の集まりなので、いつも幹事をしているT氏は苦労しているようだ。 で、その集まりが昨夜行われたのだが、もう一人(女子)から開始一時間前に「仕事が入った」とメールが来て、結局僕とT氏2人だけの集まりになった。前も同様のことが一回あったし、いつもこんな感じなのだ。 とりあえずT氏とは銀座で待ち合わせた。ソニービル前と言ったのに、なぜかT氏は勝手に三越に移動したらしく、そこまで歩いていった。銀座は人が多い、女子が多い、可愛い女子が多い。とくに祭日前の夜ということもあって、普段から高い銀座の女子レベルが、はるかに一層高かった。特にカラーもしくは柄物のストッキング着用率が高くエロ。エロは大事です。 さて、僕は以前から銀座のはずれにあるRというドイツ飲み屋に行きたいと思っていた。場所は銀座というよりも有楽町で、以前写真撮影でそこらを彷徨っていたときに発見して、「いつか行こう」と思っていた店である。場所がうろ覚えだったので探していると、線路下に同様のドイツ飲み屋が2軒連続であった。ドイツ民族衣装を来た娘がこの上ない笑顔で誘ってくれたが、その店には入らなかった。顔が可愛かったらきっと入っていたに違いない。少し歩くと、普通の居酒屋があり、女子店員が店の入口でうろうろしている。ドトールの店員みたいな服。丈のやや短い紺のスカートに、足元は素足にサンダル。エロという面では有楽町のレベルは相当高い。エロは大事です。 ようやく目当てのRを発見する。地下にもぐるとかなり本格的なたたずまい。とりあえず僕はチェコのピルゼン、T氏は長い名前の黒ビールを頼む。普通に最近の話とかしながら、2杯目は超ロングジョッキのドイツビールを飲む。一杯1100円とかするけどとても美味しい。料理はまだ食べたことがなかったアイスバイン(豚肉の塩ゆで)とポテトサラダを頼む。20席くらいしかない店で、客層は団塊の世代〜高齢者が主体。常連主義。ちなみにこの日は僕らの他に奥の席に20代が3人くらいいた。飲みながらまったり話していると、民族衣装の女子が歌集を一部ずつ持ってきた。しばらくするとアコーディオンを持った紳士がやってきてドイツ音楽の演奏が始まる。狭いのですごい大音量。会話ができない。横の常連高齢者グループがマイクを持ってドイツ語で歌い出す。こういう歌声喫茶的な店だとは思ってなかったので、はじめは狼狽したまま音楽を遮るように会話を続けていたが、やがて酒がまわってくるとこの場所の雰囲気が好きになった。一曲終わるたびに、「アイン、ツヴァイ、なんとか」と叫んで、全然知らない人と乾杯をする。楽しい。誰も歌わないときは、店員もマイクを持って歌いだし、音楽は止むことがなかった。 んで、その後の展開なのだが、題名通りのことを感じる事件が発生した。詳しくはあまり書きたくないのだが、友人のT氏は自衛隊出身であること、隣の席の老人は戦争を知る世代であること、この店の歌集には一部軍歌も載っていること、と書けば読者は察していただけるだろうか。一時ものすごい緊迫したムードが狭い店内を覆ったのだった。しかしこういった緊張感というのは、普段僕ら世代が飲みに行く店では味わえないだろう、有楽町だから起こりえる体験である。 この夜の出来事は正直僕には重かった。重さに耐えられない人間がいて、また軽さに耐えられない人間もいる。僕は前者である。帰りの夜道で僕は、「軽みだよ、軽み、いっさいの軽みで行くんだな。」 そうつぶやいていた。
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